介護保険サービスの中には医療費控除が受けられるサービスがあります。
デイサービスを利用している方の中には、医療費控除が受けられるかどうか気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
- デイサービスは医療費控除が受けられる？
- 医療費控除を受ける条件とは？
- デイサービスの費用はすべて医療費控除の対象になる？
この記事では、上記の疑問を中心に、デイサービスの医療費控除について詳しく解説していきます。
医療費控除とは？
まず医療費控除について簡単に解説します。
医療費控除とは、自分や家族の医療費が多かった場合、確定申告の際に課税対象となる所得から差し引くことのできる制度のことです。
医療費控除を活用することで、医療費が多くなることで家計に与える経済的な負担を軽減することができます。
医療費控除額の計算方法は次のとおりです。
まず、自分や家族が1年間に支払った医療費の合計から、保険等で補填された金額を引きます。
次に、この金額から総所得金額が200万円以上の人は10万円を、200万円未満の人は総所得金額の5%にあたる金額を引きます。
余った額が医療費控除額となり、課税対象の所得から差し引くことができます。
※この制度は税制改正によって詳細が変わることがあるので、国税庁ホームページなどで最新の情報をチェックしましょう。
デイサービスは医療費控除の対象になる？
ではデイサービスは医療費控除の対象になるのでしょうか？
結論から言うと、デイサービスは一定の条件をクリアすれば、医療費控除を受けることができます。
現在の介護サービスは、福祉系サービスと医療系サービスに分かれています。
福祉系サービスは日常生活の支援、医療系サービスは治療やリハビリを目的としています。
そして医療費控除の対象は、原則として医療系サービスです。
デイサービスは福祉系のサービスなので、基本的には医療費控除対象外です。
ただし、福祉系サービスと医療系サービスを同時に利用している場合は、その費用が医療費控除の対象となることがあります。
この場合には、デイサービスも医療費控除を受けられます。
医療費控除の対象となる介護保険サービス
それでは、介護保険サービスの医療費控除についてもう少し詳しく見ていきましょう。
医療費控除の対象になるかという観点で、介護保険サービスを以下の3種類に分類することができます。
1. 医療費控除の対象となるサービス
2. 医療系サービスとの組み合わせで対象となるサービス
3. 対象外のサービス
各サービスがどこに分類されるのか以下で説明していきます。
１．医療費控除の対象となるサービス
医療系サービスは医療費控除の対象となります。
以下は介護保険サービスの代表的な医療系サービスです。
- 訪問看護
- 訪問リハビリテーション
- 居宅療養管理指導
- 通所リハビリテーション
- 短期入所療養介護【ショートステイ】
２．医療系サービスとの組み合わせで対象となるサービス
医療系サービス以外でも医療系サービスと併せて利用した場合に限り、医療費控除の対象になります。
デイサービスをはじめ、医療費控除の対象となる福祉系サービスは下記のとおりです。
- 訪問介護【ホームヘルプサービス】(生活援助中心型を除く)
- 訪問入浴介護
- 通所介護【デイサービス】
- 地域密着型通所介護（※平成28年4月1日から）
- 認知症対応型通所介護
- 小規模多機能型居宅介護
- 短期入所生活介護【ショートステイ】
- 地域支援事業の訪問型サービス（生活援助中心のサービスを除く）
- 地域支援事業の通所型サービス（生活援助中心のサービスを除く）
３．対象外のサービス
介護保険サービスの中には、医療費控除対象外のサービスもあります。
対象外サービスは以下のとおりです。
- 訪問介護（生活援助中心型）
- 認知症対応型共同生活介護【認知症高齢者グループホーム】
- 特定施設入居者生活介護【有料老人ホーム等】
- 福祉用具貸与
- 地域支援事業の訪問型サービス（生活援助中心のサービス）
- 地域支援事業の通所型サービス（生活援助中心のサービス）
※介護保険サービスの医療費控除の詳細は、国税庁の「医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価」を参考にしてください。
デイサービスの利用料金で医療費控除が受けられる費用は？
デイサービスは条件をクリアすれば医療費控除の対象になることがわかりました。
では、デイサービスの利用料金のすべてが医療費控除の対象となるのでしょうか？
ここからは、デイサービスの利用料金のうち、医療費控除の対象になるものとならないものを解説します。
対象となる費用
まずは医療費控除の対象費用です。
介護給付費の基本単位分
デイサービスの料金の中で最も大きな割合を占める「介護保険基本単位の自己負担額」は医療費控除の対象です。
各種加算
入浴介護加算、個別機能訓練加算、ＡＤＬ維持加算など、各種加算も医療費控除の対象となります。
各種加算は各デイサービスにより違うため確認が必要です。
対象外の費用
続いて医療費控除の対象外費用です。
食費
昼食代やおやつ代などの食費は、医療費控除の対象外です。
日用品費
歯ブラシ、シャンプーなど、日常生活に必要なものの費用は、基本的には医療費控除の対象にはなりません。
なお、オムツ代については、条件によって対象となる場合があります。
おむつ代が対象となる条件には、6か月以上寝たきりの状態の場合、医師からおむつが必要と判断されオムツ使用証明書が出された場合などがあります。
レクリエーションにかかる費用
レクリエーションやクラフト活動にかかる費用も生活用品の分類となるため、医療費控除の対象外です。
請求書、領収書について
デイサービスでは、請求書に「医療費控除対象額」を記載することが義務づけられています。
そのため、医療費控除の費用は請求書を見ることで確認することができます。
また、医療費控除は確定申告で申請する必要があります。
その際にデイサービスの領収書が必要になりますので大切に保管しておきましょう。
この記事では、デイサービスの医療費控除について説明しました。
デイサービスは、医療系サービスと組み合わせることで医療費控除を受けることができます。
デイサービスを利用する際は適用条件を確認し、医療費控除を受ける場合は適切に手続きを行いましょう。
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